01. 目次
02. 『LEGO® SERIOUS PLAY®』とは
『LEGO® SERIOUS PLAY®』は、元々レゴ社の研究開発局統括責任者だったロバート・ラスムセン氏らにより、ビジネスパーソンが創造的な戦略立案を行うためのツールとして開発された、レゴ・ブロックを活用し、右脳(感性)を活性化させ、組織やチーム、個人のための思考、コミュニケーション、問題解決のためのファシリテーションテクニックです。
レゴと言えば、いまや色んなIPとコラボしたり、創造的で幅広い作品を生み出す人気の高い玩具の1つですが、実はテレビゲームの普及によって一時期はレゴ社が危機的状況に迫られたこともあったようです。
そんな中で、新しい教育ツールとしてプログラムを開発し、提供したというのはレゴ社の戦略の凄いところですね!
『LEGO® SERIOUS PLAY®』では、頭の中にある言葉にならない想いをレゴを作って表現し、その作品について説明したり、ストーリーを作ったりします。
作品を通して「創る」、「語る」、 「観る」、「訊く」、「応える」という作業を行っていきます。
言葉で表現しにくい内容を具体的な作品にし(可視化)、他者に語る事で伝え(共有)、質問を受ける事により、本当に伝えなくてはならない事に自ら気がつく(気付き)プロセスです。
今回のワークショップでは以下4つのグランドルールが設けられていました。
①手を信じる
無心に手を動かし、頭の中で計画を立てず、なるべく「わけのわからないもの」をつくる
②作品を通して語る
すべての意味は作品に表れているため、作品を見ながら語る
③その場で言葉をつむぐ
思いつき、あとづけ、こじつけ、全てOK!
意味を考えて作るのではなく、完成した作品に意味を持たせる
④素の自分を表現する
「評価」される場ではないので、安心して素直に自分の考えや想いを表現する
そして、今回のワークでは探求する姿勢を大事にしました。
頭の中であれこれ考えても、なかなか前に進めない。
自分自身の新たな考えに気づく場面を作るために、あえて考えず、手を使った思考にチャレンジしました!
03. 今回のワークショップの目的
今回のワークショップの目的・テーマは、
1.管理職として求められる役割・コア能力の共通認識を作り、共通言語化する
レゴブロックを言語ツールとして管理職として求められることを作品を通して表現する
2.自分自身の力で変革を行うための実行プランを具体化する
ワークを通して新しい気づきを促し、実際の変革プランをイメージする
3.チーム間の交流機会を作ることで社内での相互コミュニケーション・情報共有を促す
レゴという遊びを通して様々な部署の人と交流し、コミュニケーションや情報共有を活性化するためのきっかけにする
です。
『LEGO® SERIOUS PLAY®』は、元々は経営層向けの戦略会議用として2~3日ほどかけて行うワークとして開発されたプログラムとのことですが、今回は管理職向けに1日の終日研修として実施しました。
実際のワークの様子については次項から紹介していきます。
04. 研修の様子
ここからは1日のワークショップの流れをもう少し具体的にご紹介していきます。
まず、ワークショップでは4~5人で1つのグループを作り進行していきます。
ワークの前半は全員同じ種類の少ないブロックを使って簡単な作品の組み立て練習や自己紹介を行いました。
例えば、各々でタワーを作ってみたり、最悪な上司と理想的な上司というテーマで作品を制作し、語り合う等
前半は同じブロックで種類も少なかったのでウォーミングアップのような感じです。
午後からは各グループに大きなレゴの箱が置かれ、多くの種類のブロックからテーマに沿った作品を制作していきます。
≪テーマ一覧≫
・わたしが提供している仕事の価値
・わたしの強み
・わたしの強みを活かして実現したい3年後の未来
・グループメンバー全員の強みに関する作品でストーリーを作る
・3年後の未来実現に向けて取り組むこと
・未来実現に向けてメンバーへの応援メッセージ
↑3年後の未来実現に向けて取り組むことの作品一例
当たり前ですが、同じテーマでも色んな作品があり、意味を持たせることや伝えることの難しさを実感しました。
受講者の皆さんの真剣に取り組む姿勢も印象的です。
05. 受講者の感想
受講者の満足度と声
満足度の理由
・ユニークな研修で、このシリアスレゴの研修でないとできない体験ができた
・一風変わった研修だったので楽しかったです。差別化されているので記憶に残りやすいです。
・レゴの研修ってどういうこと?と思っていたが、思いのほか気づきが多くてびっくりした。
・他の部署の方ともうまくコミュニケーションができて良かった。
研修での気づき
・考えを形にする難しさ、伝達の難しさとともに発想を形にする楽しさがあった。
・他の方の考え方はそれぞれでしたが、目指している目標は一緒だった。
・個々の作品は小さいものの、集まると1つの作品になり、会社も同じで社員がレゴブロックで集まると会社になるのと同じことだと感じました。
・考えの着地点は他の方も一緒ではあるものの、そこまでの過程でのレゴの作り方が平面で作ったり、立体で作ったりと表現方法が全く異なるのが理解できた。そのことを踏まえて、今後自分が説明する際も様々な角度でより理解しやすい説明を心がけたい。
このように最終的には9割近くの方に満足していただく研修となりました。
研修は受けて満足するのではなく、受講者が気づきを得て行動し、習慣化することが重要です。
人事として、今回の研修のふり返りを定期的に行いながらが受講者の行動変容につながることを願って次の研修を考えていきたいと思います。